みなさんは歯科医院で「ゴムかけ」という言葉を耳にしたことはありますか?
ゴムかけとは、上下の歯にまたがって矯正装置に専用の輪ゴムをひっかける治療のことで、歯列矯正の中盤から終盤にかけて実施されます。主にワイヤー矯正で取り入れられますが、マウスピース矯正で実施されることもあります。
では具体的にどんな効果があるのでしょうか。今回はマウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置(インビザライン)におけるゴムかけの特徴や効果についてご紹介します。
ゴムかけの特徴と効果
ゴムかけの処置は患者さん自身が行います。使用されるゴムは「顎間(がっかん)ゴム」と呼ばれる医療用のゴム。直径5~10mmほどで、太さや硬さなど形状により効果が異なり、太くなるごとに引っ張る力が強くなります。
目安としては1日20時間以上の装着が必要となりますが、インビザラインに使用するマウスピースと同様、食事や歯磨きの際は外しても問題ありません。
ゴムのかけ方は出っ歯や受け口といった歯の状態や矯正の目標によって変わります。
ゴムかけの注意点
ゴムかけの処置には注意すべき点が大きく4つあります。
最初は鏡を見ながら装着すること
マウスピースには予めゴムを引っ掛けるための切り込みが入っていますが、慣れるまでは鏡を見ながら正しい位置に装着してください。慣れてくると指の感覚だけでかけられるようになります。
ゴムは毎日交換すること
顎間ゴムは消耗品です。長時間同じものをつけていればゴムが劣化し、伸縮性がなくなるため十分な効果が得られなくなります。毎朝食後、または毎晩就寝時に新しいゴムに交換しましょう。
あくびや着脱のタイミングに注意すること
あくびをする際に口を大きく開けすぎるとゴムが切れる場合があります。すぐに交換できないこともあるかもしれないので、口の開け方は意識してください。また、ゴムの着脱はできるだけ周りに人がいないタイミングで行いましょう。着脱に失敗するとゴムや唾液が飛んで迷惑がかかってしまいます。外出の際は予備のゴムを持ち歩くと便利です。
装着時間や期間を守ること
ゴムの強さやかけ方など、歯の状態や実現したい歯並びを想定して歯科医師は計画を立てます。そのため装着時間や期間を守らないと治療が長引く可能性があります。さらにゴムかけを中断することで歯の動きが中途半端になったり、噛み合わせのズレが残ることもあるので注意しましょう。
まとめ
ゴムかけは患者さん自身で処置を行わなければならないため、頻繁な取り外しや交換、装着時の違和感など苦労する点は多々あると思います。しかし、ゴムかけを行うことで仕上がりのクオリティは格段に上がり、治療が終わった後にはきっと、頑張って続けて良かったと思えるはずです。
歯列矯正をご検討中の方は、ゴムかけについても歯科医師に相談してみてくださいね。アップル小児矯正歯科でもご相談を受け付けております。お気軽にお問い合わせください。
※マウスピース型カスタムメイド矯正装置(インビザライン)は、未だ日本では薬機法対象外の矯正歯科装置であり,医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。