歯の表面にワイヤーを装着して歯列矯正を行う一般的な方法とは異なり、目立ちにくい透明なマウスピースを用いる矯正方法として近年人気を集める「マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置(インビザライン)」。
ただしこれから矯正を始める方にとっては、治療の内容や期間などわからないことだらけですよね。今回はそんなインビザラインの気になる項目について解説します。
治療の流れ
矯正相談・カウンセリング・検査
はじめに病院でカウンセリングを受けます。あらかじめ確認事項を用意しておくとスムーズでしょう。
アップル小児矯正歯科では、口内の写真とレントゲンを撮影し、現在の症状やその原因を診断します。それをふまえて治療方法や使用する装置、この時点で判断できる具体的な費用などを説明します。
質問例
- 現在の歯並びの状態
- 治療への懸念
- 治療経験の有無
- 費用 など
治療を受けると決めたら口内の検査や歯型取り、レントゲン撮影などを行います。所要時間は併せて2時間程度です。
当院にはクリニカルコーディネーターが在籍しているので、現状のお悩みや理想の歯並びなど、些細なことでもお気軽にご相談ください。
精密検査
初診よりもさらに詳しくレントゲン撮影や顎の動きの測定などを行います。むし歯がある場合は先にむし歯の治療を行います。
口内検査と歯磨き指導
治療開始前に口内の細菌を検査することにより、むし歯や歯周病のリスクを軽減させます。また同時にブラッシング検査と歯磨き指導も行います。
治療計画とマウスピースの製作
マウスピースの元となる歯形の取得と、3Dスキャンを用いた歯の形のデータ化を行います。加えて歯並びや顎の骨格などもチェックし、最適な歯並びに向けた治療計画を立てます。
使用する透明なマウスピースは「アライナー」といい、数十段階の経過に応じて付け替えるため、計画に沿ったアライナーを予め作成しておきます。骨格や歯の動きを予想し、約3週間かけて治療計画と仕上がりの予想図を作成します。内容を確認後マウスピースを製作し、並行して歯全体のクリーニングを行います。
マウスピースが完成したら矯正を開始しますが、その際にアタッチメントというマウスピースが歯にしっかりと固定され、歯を動かすための圧力がかかるように設置する白い突起物も装着します。マウスピースの矯正能力を高める役割を担っています。
アタッチメントは従来のものと比べて舌や粘膜を傷つけることなく、歯の色に近いため目立ちにくいのが特長です。
マウスピースの交換、定期検診
マウスピース1個につき、約0.25mmずつ歯を移動させるよう設計されています。約2週間かけて移動させ、その都度マウスピースを交換します。また1~2カ月ごとに医師の検診を受け、矯正の進捗や歯茎の様子を確認します。その際に、進み具合に応じた形のマウスピースを受け取ります。
アフターケア
治療後は、歯の後戻りを防止するために「リテーナー」と呼ばれる保定装置を装着します。通常は約5年間の装着が必要となり、就寝時のみ使用するなどして歯並びを維持します。
なお、アップル小児矯正歯科の矯正治療の流れはこちらをご覧ください。
治療における期間や回数
利用するにあたって、治療におけるさまざまな期間や回数の目安は以下の通りです。
- 治療期間:6か月~3年
- 歯型を取る回数:1~3回
- マウスピースが完成するまでの期間:約2か月
- 1日の装着時間:20時間以上
- マウスピースの交換:70回~80回
一般的な歯列矯正の場合、矯正期間は2~3年とされています。マウスピース型カスタムメイド矯正装置(インビザライン)も最長3年ほどが目安となりますが、症状の程度や矯正箇所によっては6カ月ほどで終わることもあります。
多くの場合は必要な期間の前半に歯の移動を行い、残りを微調整と歯並びの固定に使います。自分の症状と希望する終了時期をふまえて計画を立てることが大切です。
場合によってはセカンドオピニオンを行い、比較検討してみることもおすすめします。
始めるにあたっての注意点
歯の重なりが大きかったり骨格そのものがズレている方、部分矯正を望む方は利用することができません。また、抜歯やむし歯治療が必要な場合はそれらを完了させてからの治療となります。
次に、通院の手間が省ける分、装着時間やお手入れの自己管理能力が求められます。マウスピースの装着時間が20時間未満であったり、矯正中にむし歯ができてマウスピースを作り直すことになった場合は、矯正期間が長引くこともあります。
また、近年では技術の進歩により抜歯を伴う治療も可能になってきましたが、難症例の場合は対応できないこともあります。
治療中に痛みを感じたら
歯列矯正は力を加えて歯を移動させるため、どんな方法でも痛みを伴うことがあります。インビザラインでは他にも、マウスピースを取り外す時に痛みを感じたり、マウスピースを外さずに何か口にした時にも痛むことが考えられます。
もし痛みを感じた時には痛み止めを飲んだり、やわらかいものを食べるようにするなどしましょう。ただし痛みが数日続くようなら、かかりつけの歯科医師に相談してください。
まとめ
疑問や悩みの解消が歯列矯正の第一歩です。まずは病院でご自身の歯の状態を知り、疑問や悩みを解消してください。見た目を気にして矯正に気が進まない方でも、きっと取り組みやすいでしょう。
アップル小児矯正歯科では多数の症例実績がありますので、気軽にお問い合わせください。
※マウスピース型カスタムメイド矯正装置(インビザライン)は、未だ日本では薬機法対象外の矯正歯科装置であり,医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。