子供のむし歯予防に効果的な歯磨きのコツ
子供にとってむし歯の存在は歯並びに大きく影響します。そのため早いうちから予防に取り組むことが大切で、それには家族のケアが必要不可欠です。
今回はむし歯予防の中でも特に気をつけたい、子供の歯磨きについて解説します。
子供のむし歯の原因
実は生まれたばかりの赤ちゃんはむし歯菌を持っておらず、生活習慣によってむし歯は発生してしまいます。また、色素の薄い乳歯は永久歯に比べてむし歯菌にかかりやすいため、そもそも子供はむし歯になりやすいといえます。
乳歯の段階でむし歯になりにくい歯の土台を作ることを意識しましょう。
むし歯を予防する歯磨きのコツ
歯磨きの目的は歯垢を取り除くことです。歯垢の中にはむし歯を引き起こす可能性がある菌が多く存在するため、口の中に歯垢が残っていると菌が糖を吸収して酸を出します。
この酸が歯を溶かし、むし歯につながります。まずは歯垢をしっかり落とすための歯磨きのコツを、歯ブラシの選び方と持ち方、磨き方の3つの観点からご紹介します。
歯ブラシの選び方
歯ブラシは柔らかく、毛先が短いものを選ぶと良いでしょう。5ミリから6ミリ程度を目安に、子供の歯2つ分の大きさの歯ブラシがおすすめです。
赤ちゃんのうちは歯がまだ薄いので、ぬるま湯で濡らしたガーゼで歯を磨くのもおすすめします。
歯ブラシの持ち方
子供の歯はとても繊細なので、習字をするときのような持ち方が理想です。
ただ子供は歯磨きをする時に力みがちなので、歯ブラシのブラシ部分に近いほうで指を固定すると力が抑えられ、磨きやすくなります。
磨き方
ゴシゴシこするのではなく、小刻みに振動させながらマッサージするつもりで磨くと良いでしょう。その際、歯に対して直角に歯ブラシを当ててください。
小学校低学年まではお父さんかお母さんが仕上げ磨きをするのが望ましいです。口の中が見えやすいようお子さまを仰向けに寝かせて、歯茎を傷つけないようやさしく磨いてあげましょう。
歯と歯の間の汚れを落としたいときは、デンタルフロスや歯間ブラシを活用するのがおすすめです。
年齢別のむし歯予防
0歳〜2歳
この時期にむし歯ができやすい場所は、上の前歯と歯の間、歯茎と歯の間などです。そこに注意しながら歯磨きをしてください。
3歳〜5歳
乳歯が生えそろう時期なので、奥歯の溝まで磨けているかチェックしましょう。間食の食べ過ぎにも注意が必要です。
6歳〜9歳
多くの子供はこの時期に永久歯が生え始めます。子供が一人での歯磨きに慣れるように、正しい磨き方を教えてあげましょう。
特に奥歯の後ろに生える第一大臼歯は、生えてきていることに気づきにくく、磨き残しが多くなりがちなのでむし歯になりやすいとされています。噛み合わせの要ともなる大切な歯なので注意しましょう。
歯磨き以外の方法としてはフッ素洗口や、シーラントといって奥歯や前歯の溝をプラスチック樹脂の一種で埋める方法もあります。
10歳・11歳
永久歯が生えそろう子供が多くなり、自分での歯磨きにも慣れてきた頃だと思います。この時期に歯並びの矯正を始めるお子さんも多いです。
矯正方法によっては装置の間に汚れがたまりやすく、むし歯の発生につながる可能性があるため、隅々まで磨くように注意しましょう。
こまめに歯科医院に行くことで、気づかないうちにむし歯ができていたという事態を防ぐこともできます。
12歳〜
この頃には完全に親の目から離れているでしょう。ただ歯磨きを面倒くさだったり、むし歯を放置していることもあるので、気にかけてあげることは大切です。
中高生でも歯周病にかかる場合があるため、歯科医院の定期検診にも行くようにしましょう。
歯磨き以外に気をつけること
子供が食事をする時間、おやつを食べる時間は必ず管理するようにしましょう。常に食べ物を口に入れている状態はむし歯菌の増殖につながります。何も食べない時間をつくるという習慣づけが大切です。
また、甘いもの(砂糖)はむし歯になりやすくなるのはもちろん、中毒性があります。口が甘さに慣れてしまうとどんどん欲しがってしまうので、与えすぎないように注意する必要があります。
他にも乳児期に親から伝わったむし歯菌が定着し、大きくなってからその菌が原因でむし歯ができてしまうことがあります。
例え相手が赤ちゃんであっても、自分が使ったスプーンでご飯を食べさせたり、一度自分が噛んだ食べものをあげたりすることは危険です。
自分と子供が使うスプーンを完全に分け、事前に食べやすいように調理するよう心がけましょう。また、むし歯菌を移さないためにも、子供と接するときにはしっかりと歯磨きすることも大切です。
もし、むし歯になったら
初期のむし歯は痛みがなく、自分で気づくことがほとんどありません。しかし他の部分より若干白く見えたり、学校の検診で「CO」と診断された場合はむし歯対策を行いましょう。
初期のむし歯にはフッ素塗布がおすすめです。フッ素は原因菌の働きを弱め、歯垢が作る酸の量を抑制する効果があります。
歯から溶け出したカルシウムやリンなどの再石灰化を促すことで歯質の強化にもつながります。つまりフッ素塗布は、むし歯の進行抑制と予防のどちらにも期待できる方法の一つです。
歯科医院によっては定期的なフッ素塗布を行なっているので相談してみましょう。
まとめ
今回は子供のむし歯予防に効果的な歯磨きのコツを紹介しました。年齢に合わせた対策をとったり、フッ素を塗布することで初期のむし歯ならば治療可能です。
また、歯並びが気になる際には、永久歯が生えそろってから矯正をすることをおすすめします。
むし歯の原因を知り、食事や歯磨きにおける注意点を意識しながら、日々の生活の中でお子さまの歯を守っていきましょう。